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店長に読んでもらいたい名著『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』から学ぶ 

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現代のパチンコ店の営業においてマーケティングの知識は不可欠です。そのマーケティングの世界で今一番脚光を浴びているのが、今回ご紹介する森岡毅さんではないでしょうか?

今回紹介する『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(森岡毅・著、角川文庫)はマーケティングの優れた入門書であると共に、胸を熱くするノンフィクションです。特に店舗責任者に読んでもらいたい名著です。

著者プロフィール

森岡毅(もりおか・つよし)1972年生まれ。神戸大学経営学部卒 96年P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー・アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にUSJ入社。革新的なアイディアを次々投入し、窮地にあったユニバーサルスタジオジャパンをV字回復させる。2012年より同社チーフマーケティングオフィサー、執行役員、本部長。




戦略的フレームワークとは?

著者の森岡さんがこの本で紹介しているマーケティングノウハウは多々ありますが、その中で私が感銘を受けたのは「戦略的フレームワーク」と言う考え方です。

「戦略的フレームワーク」とは戦略を考えるときにフローを利用して、考えるべきアイディアの必要条件を導き出す方法です。具体的には「目的」→「戦略」→「戦術」の3段階を必ずその順番で考えます。

何より大切なのは最初に「目的」をよく考えて明確に定義することです。

その上でその「目的」を達成するために持っている経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報、時間、ブランド力、知的財産等)を何に集中するのかを選んで決めます。

その選択が「戦略」なのですが、理解として大切なのはその戦略こそが生み出すべきアイディアの範囲を決める必要条件そのものになっていると言うことです。なぜならば、アイディアとはその戦略の延長線上で次に考えるべき「戦術」そのものだからです。




パチンコ店を事例にした戦略的フレームワーク

パチンコ店の施策を例にこの戦略的フレームワークを説明しましょう。

簡単な例を挙げます。

不振に陥っているパチンコ店の売り上げを改善させたい場合どうやって目的を達成すれば良いか?そのアイディアを考えたとします。

戦略的フレームワークでは、具体的な「戦術(アイディア)」をいきなり考えるのではなく、こういう順番で考えることになります。

目的は「不振店の売り上げを改善すること」です。

次に戦略は機種構成を改善するのか販促強化するのか、調整を見直すのかなどおおまかな方針を選択しなければなりません。どの戦略がうまくいくかは、その店舗のこれまでの営業内容や、外部状況次第です。ここでは仮に、不振の要因を「経費削減しすぎて販促費を抑え過ぎたこと」と設定し、有効な戦略を「販促強化」と考えることにしましょう。

その瞬間に考えるべき「戦術(アイディア)」の範囲がすごく絞れたことがご理解いただけるでしょうか。販促強化以外を考える必要がなくなったのです。販促による客数アップを満たすべき必要条件として絞って考えれば、

  • チラシの折り込み範囲の見直し
  • WEB販促の追加
  • デザインコンセプトの変更
  • SNS販促の強化
  • ホームページリニューアル 等々

などいくらでもアイディアが出てくるはずです。

このように戦略的フレームワークは、目的→戦略(必要条件) →戦術(アイディア)の順番で考えていくと選択肢を合理的に絞っていくことができます。もっとも効果がありそうなポイントに時間や努力を集中させるのに役立ちます。それ以外は全く考えなくても良い格好している領域)をはっきりさせてくれるからです。

「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」

さて今回のこの書籍のタイトルにもなっている「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」と言うエピソードについて先程の戦略的フレームワークを交えながら紹介したいと思います。

その当時USJが抱えていた課題は下記のようなものでした

2013年の三重苦

2013年度は翌年2014年度のハリーポッターのテーマパーク建設と言う大規模事業に備えて設備投資に回せる資金が極めて少ない環境でした。そんな環境の中、例年同様に業績目標を達成させると言う難しいミッションがあったのです。また競合である東京ディズニーランドは30周年と言う大イベントがあり、USJにも影響がある事は間違いない状況でした。

リノベーション戦略

盛岡さんはその難しい目標達成の戦略の柱としてリノベーション戦略をとることに決めました。リノベーション(改造)は、まったく新しいものを作り出すイノベーション(革新)とは違い、既存のものを新しく生まれ変わらせるべく手を加えて改造、改築することを指します。つまり少ない設備投資予算を最大限生かすために既存の設備あるいはプラットフォームを最大限活用しリノベーションすることで新しい価値を生み出すことになります。

リアプライという考え方

またリノベーションに付随する考え方として「リアプライ」を意識したそうです。使えるアイディアがあればその切り口を誇りを持って盗ませていただくというものです。

すでにあるアイディアをいただくことを「リアプライ」といいます。これをパクると表現すれば嫌悪感を感じる人もいるかもしれませんが、いわゆるパクリとリプライは違いがあります。

目に見えるブランドやキャラクターをそのまま真似するパクリに対し、目に見えないビジネスのアイディアをいただくことをリプライとなります。

一般論ですが日本人は何でも自分でゼロから始めとする悪い癖があるようですがもっと効率的に結果を出すためにはもっと外に目を向けて積極的にアイディアを盗み行った方が良いケースが多いと考えられています。

リアプライには利点が3つあります

  1. どこかで成功しているアイディアを土台にした方がプロジェクトに圧倒的なスピード感をもたらす。
  2. どこかの消費者で試されている分だけ成功の確率が高い
  3. アイディアを自分で生み出すための引き出し(ストック)がものすごく増える

目的意識を持って積極的に外にアイディアをの断片を求めていることを積み重ねていくとアイディアをそのまま応用できるケースが多くないとしても自分の頭の中により多くのアイディアの断片を取得できるようになるのです。

こうしたイノベーション戦略及びリアプライと言う考えに基づいて考え出されたのが先程の後ろ向きに走るジェットコースターハリウッドドリームザライドになります。簡単に言えばそれまで前向きに走っていたジェットコースターを後ろ向きに走らせることで新たなスリル感を生み出し付加価値を見出したのです。これまであったプラットフォームを活用したことで設備投資費用は大幅に削減。世界で初めての後ろ向きに走ると言うジェットコースターはユーザの中で多大な口コミとなり予想以上の集客効果を生み出したのです。

我々パチンコ業界においても、この2013年の盛岡さんと同様に、難しい課題を抱えながら、結果を出さなければならないというシチュエーションに置かれています。

業界に携わる皆さん、それぞれの立場において、このブログが課題解決に繫がる一つのヒントになれば幸いです。

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